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「サツキとメイの家」は昭和30年代の家か?

「サツキとメイの家」は、昭和30年代の家でしょうか?

「冷凍マンモス」と共に愛知万博の目玉となっている「サツキとメイの家」ですが、公式ホームページや新聞報道などでは、昭和30年代の家として紹介されています。まさか、あのような家が昭和30年代の典型的な家だと勘違いするような人はいないかとは思いますが、昭和30年代に建てられた家をモデルにしていると間違う人はいるのではないでしょうか。

映画の舞台は昭和30年代の設定で、そのときにすでに、あの「サツキとメイの家」は古びておりました。

建築マニアの間では、あのような形の住宅は「洋館付き住宅」といい、大正から昭和初期にかけて流行した建物です。

そもそもは、明治初期、外国のお客様を迎えるような貴族の家では、家の敷地に迎賓館として洋館を建て、住まいは和館で、その間を渡り廊下でつなぐといった建て方がありました。その後、地方のお金持ちや小金持ちの間でも、玄関横に洋間を作り、応接間や書斎とする建て方が流行ります。個人医院などでも、診察室が入口横の洋間、という例が多く見られます。一般の住宅でも、文化住宅といった呼び方で、洋館付き住宅が建てられます。「サツキとメイの家」も、そうした文化住宅かと思われます。

洋館付き住宅は、今でも各地に多く見られます。

そういった家の入口横には、必ずと言ってよいほど、シュロの木が植えてあります。今では大木となっています。シュロの木を目印に、建物を探すことさえできます。空き地にシュロだけが生えているようなところは、かつて洋館が建っていた場所であろうと想像できます。

「サツキとメイの家」は、洋館がちょっと大きすぎてバランスが悪いのですが、洋館単体では、ステキな建物だと思います。

あなたのご近所にも、きっと「洋館付き住宅」がありますよ。探してみてください。そして、ご報告いただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。

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