近代建築ではありませんが、青森県の旧木造町(現つがる市)といえば、この木造駅舎(平成4年築)を採り上げなければなりません。京都工芸繊維大学の中川理先生の著書『偽装するニッポン』で見たのか、都築響一著『ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行』か、五十嵐麻理著『日本珍スポット100景』だったか、とにかく良くも悪くも、インパクトのある建物です。
地元の亀ヶ岡遺跡から発掘された国の重文の遮光器土偶(愛称「しゃこちゃん」)を、巨大化して取り付けています。叩いてみるとコンクリート製で、中は空洞ではなく充填されていました(足の部分以外は、あるいはハリボテかも知れません)。ウィキペディアによれば「以前は列車の発着に合わせて土偶の目を点滅させていた(「いらっしゃいビーム」)が、子供が怖がるため最近は自粛している。リクエストがあれば点滅可能らしい。」とのこと。
※なお、この「しゃこちゃん」は高さ17.3mとの記載もありますが、どう考えてもそれほど巨大ではないです。17.3mというと、6~7階建てのビルに相当しますから。2階建ての駅舎に付いているのですから、せいぜい7~9mくらいでしょう。
で、この「しゃこちゃん」ですが、五能線の列車の乗客からは全く見えないというのも、困ったものです。どうやら、町民向けに立っているようです。
それにしても、木造(きづくり)という地名は、検索には困ったワードです。木造駅舎は、各地の「もくぞう」の「えきしゃ」がヒットしてしまいます(笑)。