「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第16弾は、北海道名寄の煉瓦建築です。
日本各地の近代建築探訪など
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第16弾は、北海道名寄の煉瓦建築です。
旧端出場水力発電所(明治45年築)。別子銅山の水力発電所施設でした。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第15弾も、北海道士別の煉瓦建築です。
旧熊本市八景水谷水源地第二井送水ポンプ室(大正13年築)。水道施設は、どこも市街地から少し離れた場所に立地しています。
廿世紀浴場
美章園温泉
ここ数年、どの町にもあった建物がどんどん消えていく状況が進んでいます。とくに、個人経営の業種で、比較的大きな面積の建物である、町の映画館や銭湯……。かつては、町の人々にとって必要な施設であり、手軽な価格で数多くの人々が利用する建物でした。
思えばバブルの頃、地上攻勢を受け、一定の敷地面積のあるこれらの建物の多くが解体され、マンションや商業ビルになりました。そんな中でも所有者の踏ん張りで残った建物が、ここにきてバタバタと閉店し、解体され続けているのです。
銭湯の場合、経営的に苦しいことは十分想像できます。内風呂が普及し、利用者が激減した現在、多少の利用者増があったとしても、構造的に、もはや成り立たない商売なのではないかと思えてなりません。一体全体、何人くらいの来客があれば銭湯の経営は成り立つものなのでしょう。さらに、最近は原油高騰で、営業を続けても赤字がかさむだけという話も聞こえてきます。
昔ながらの銭湯は個人経営(家族経営)のために、廃業即解体となる例が多く、気がつけばすでに更地になっていたというような現場によく出くわします。
昨年末に東京の廿世紀浴場が廃業し、すぐに解体されました。また、昨年の秋頃から休業中だった大阪の美章園温泉も、とうとう今月廃業となり、解体中とのこと。どちらも、商店街からのアプローチが似た位置にありました。
廃業するのはやむを得ない状況であるということは、誰もが理解できます。しかし、解体するには惜しい建物も多いのです。国の登録文化財としてリストアップされているような建物もあります。建物自体の価値を評価し、たとえ営業は終了しても建物は残すというような方策はないものなのでしょうか。銭湯としての利用は難しいとしても、他の用途でその空間を活用することは十分可能なはずです。また、そうした事例も、実際に各地で実現しはじめています。
最悪、土地の有効活用等というお題目で、その場所に建ぺい率制限目一杯までの建物を建てる際にも、地面に面した階は旧銭湯の外観を再現するべきだと考えます。そして、その空間は、地域の公共的スペースとして活用されるべきでしょう。
多くの人々に愛され利用された建物は、その建物に接した人の数だけ、多くの人々の記憶の中に存在し続けます。経済原理だけでない、思い出の建物が「存在し続けること」の価値と意義とを、ぜひ考えて欲しいと思います。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第14弾は、北海道士別の煉瓦建築です。駅前に農業倉庫が並んでいます。
旧山陰電気米子変電所(大正7年築)。唐突に、この煉瓦の建物が建っています。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第13弾は、北海道岩見沢の煉瓦建築です。
旧歩兵第二十一連隊雨覆練兵場(明治31年築)。浜田市立第一中学校屋内運動場として活用されています。登録文化財。
旧歩兵第二十一連隊雨覆練兵場(大正5年築)。こちらは、島根県立浜田高等学校第二体育館として使われています。登録文化財。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第12弾も、北海道札幌の煉瓦建築です。
安藤商店煉瓦造蔵座敷(明治24年築)。武家屋敷の続く町並みに、赤い煉瓦蔵が映えます。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第11弾も、引き続き北海道札幌の煉瓦建築です。
日本キリスト教団福島教会(明治42年築)。ヴォーリズの設計です。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第10弾は、北海道札幌の煉瓦建築です。札幌といえば、煉瓦建築のイメージがありますよね。
旧阿仁鉱山外国人官舎(明治13年築)。現在、阿仁異人館として公開されています。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第9弾も、再び北海道旭川の煉瓦建築です。
旧小坂鉱山電錬場(明治42年築)。現在、小坂精錬所として現役稼働中です。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第8弾も、北海道旭川の煉瓦建築です。
旧駒井酒造店。JR陸奥湊駅そばの新井田川沿いに建つ煉瓦造の酒蔵です。商標等でいろいろあったようで、つい最近まで八戸酒類みなと工場だったようなのですが、それも閉鎖とか。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第7弾は、北海道旭川の煉瓦建築です。旭川も、煉瓦造の多い町です。
カイナラタクシー。昭和30年代の建物かも知れませんが、スチールサッシとスクラッチタイル貼り、そして塔屋の感じが「アヤシイ」建物です。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第6弾も、昨日に続き北海道遠軽の煉瓦建築です。
JR京終駅(明治31年築)。旧奈良鉄道開業時、奈良側の始発駅だったそうです。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第5弾は、北海道遠軽の煉瓦建築です。
京終駅近くの煉瓦倉庫。相当大規模な床面積の建物です。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第4弾も、引き続き北海道函館の煉瓦建築です。住友マークの付いている煉瓦倉庫は、大阪南港の旧住友倉庫のようです。
奈良公園から奈良刑務所へ向かう国道沿いの看板建築です。この並びに銭湯があったのですが、見当たりませんでした。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第3弾も、北海道函館の煉瓦建築の続きです。函館は、煉瓦建築が多いです。
奈良ホテル(明治42年築)。一連の和風デザインですが、細工の省略が進んでいます。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向けて。第2弾は、北海道函館の煉瓦建築です。
旧奈良県物産陳列所(明治35年築)。現、奈良国立文化財研究所。奈良公園内で、奈良博物館のデザインが洋風すぎて評判が悪く、それ以降の建物は和風になったと言われています。
「まちかどの近代建築写真展IN大阪III」開催に向け、手持ちの写真の中から、各地の煉瓦建築を紹介します。
まずは、小生の故郷、北海道小樽の煉瓦建築です。
今年も、大阪の天満屋ビル「お茶と雑貨のハaハaハa」さんで、まちかどの近代建築写真展を開催いたします。今回は、全国の煉瓦建築特集です。どうぞ、ご期待ください。
準備も兼ねて、現存煉瓦建築のリストを作成しました。すでに解体済であるとか、近所にこんな煉瓦建築があるといった情報を、お知らせください。よろしくお願いいたします。
現存する全国の煉瓦建築
http://www.jmam.net/matikado/renga0.html
--------------------------------------------------------
まちかどの近代建築写真展 IN 大阪III (第12回)
~現存する全国の煉瓦建築~(「海岸通建物語3」関連企画)
会期:2008年3月15日(土)~4月19日(土)
3月15日(土)は14時から/4月19日(土)は14時まで
会場:天満屋ビル2階「お茶と雑貨のハaハaハa」
大阪市港区海岸通1-5-28 東展示室
時間:7:30~18:00 土・祝は11:00~18:00(定休日:水曜、日曜)
主催:お茶と雑貨のハaハaハa
企画:まちかどの近代建築写真展実行委員会
協力:近代建築探訪メーリングリスト
帝室奈良博物館(明治27年築)。現在も、国立奈良博物館として現役です。
旧奈良市水道計量器室。奈良刑務所のそばにあります。すっかり屋根が落ちてしまっています。
奈良女子大前の旧派出所。少なくとも、もう20~30年以上前から空家のままです。
旧奈良女子高等師範学校(明治42年築)。いつも変わらぬ、美しい建物です。旧本館は、現在、奈良女子大学記念館となっています。
日本聖公会奈良基督教会堂(昭和5年築)。いつもアーケードの商店街から、石段の上にある教会堂を見上げるだけでした。今回、扉が開いていたので、初めて石段を上がり、教会堂内部まで拝見させていただきました。
先月小樽へ行ったおり、小樽運河プラザに「小樽名建築番付」が展示されていました。昭和55年といえば、小樽運河保存運動のまっ最中です。
これは、小樽運河の保存運動をきっかけに、小樽の町を見直そうとした小樽の若者たちが考えて作ったツールでした。この番付は、後に「日本赤煉瓦建築番付」などの参考になったものです。思えば、小樽運河保存運動は、その後各地でのさまざまな保存運動で参考にされる、あらゆるアイデアが考え出され、実行されたのでした。
さて、この「小樽名建築番付」をテキストにしてみました。カッコ書きは、小生の書き添えです。驚くことに、この番付に載っている建物の大半が現存しているのです。これは、小樽運河保存運動の成果なのかも知れません。
------------------------------------------------
蒙御免 小樽名建築番付
行司 勧進元 夢街
東
横綱 小樽倉庫(現・小樽市総合博物館運河館)
横綱 日本銀行支店(現・日本銀行旧小樽支店金融資料館)
大関 中央バス本社(旧・北海道銀行本店)
大関 三井銀行(現・石屋製菓所有)
関脇 罐友会館(現・小樽グランドホテルクラシック)
関脇 銀鱗荘(旧・猪俣安之丞邸)
関脇 公会堂
小結 板谷邸
同 富岡カソリック
同 海陽亭(旧・魁陽亭)
同 商大方二〇番棟(?)
前頭 小樽市役所
二 旧拓殖銀行(現・ホテル1・2・3小樽)
三 旧百十三銀行(旧・千秋庵)
四 フジヤ家具
五 旧上勢商店(現・ホクリョウ)
六 林屋製茶(旧・第百十三国立銀行小樽支店)
七 北海道紙問屋(旧・第四十七銀行小樽支店)
八 小樽駅
九 旧山本邸(?)
十 旧坂牛邸
西
横綱 旧手宮機関庫(現・小樽市総合博物館内)
横綱 博物館(現・旧日本郵船小樽支店)
大関 川又商店(旧・早川支店)
大関 大家倉庫
関脇 名取商店
関脇 にしん御殿
関脇 青山邸
小結 名取邸
同 住ノ江カソリック(旧・佐々木邸)
同 和光荘(旧・野口邸)
同 川田商店
前頭 商工会議所
二 北海製罐
三 市立図書館(現存せず)
四 旧三菱銀行(現・北海道中央バス第2ビル)
五 清水鋼機(現存せず?)
六 石ヶ守商店(旧・久米商店)
七 旧富士銀行(現・花ごころ小樽店)
八 旧三井物産(現・松田ビル)
九 寿原邸
十 島田歯科(現存せず?)
昭和五十五年一月一日
※なお、検索していたら、この番付を作った人のブログを見つけました。小樽でお蕎麦屋さんをなさっているのですね。今も、小樽のまちおこしで頑張っておられるご様子。
「小樽・藪半・蕎麦屋親爺の独り言」
http://blog.livedoor.jp/sobaya_oyaji/archives/50346604.html
旧六十八銀行奈良支店(大正15年築)。現在、南都銀行本店として現役です。
けむりや。JR奈良駅から若草山へ向かう三条通りに建つ建物。事務所ビルだったのでしょう。
旧国鉄奈良駅駅舎(昭和9年築)。保存運動により、平成16年に現在地に曳家されました。ただ、せっかく保存されたのに、周囲をフェンスで囲み何も使われていない状況は大いに残念です。
旧奈良刑務所(明治41年築)。司法省技官だった山下啓次郎設計による、明治五大監獄の一つです。現在、奈良少年刑務所として現役です。以前は門に守衛がいて、撮影しようとするとすぐに阻止されたのですが、何故か今回は誰もおらず、撮り放題でした。
レストランでしょうか。角地に、印象的な屋根裏部屋のある建物です。
スナックGAL'S倶楽部。昨日の郵便局の斜向かいにある建物です。よく見ると、しっかりとした洋館でした。旧郵便局かも知れません。
上諏訪病院(大正10年築)。こちらも蔦が繁り放題で、建物の全貌が見えません。
青木医院(大正11年築)。いかにも大正時代らしい木造の医院です。庭木の背が高くなって建物の全貌が見えません。