今日も、小生の突飛な仮説です。何の根拠もない、単なる直感です。
東京都文京区に、武田五一設計の求道会館(大正4年築)があります。長らく廃墟然としておりましたが、近年修復工事も終わり、東京都の有形文化財に指定されています。建物は、外観・内部共、西洋の教会のような造りですが、実は仏教の施設なのです。内部の正面中央奥に、六角堂が奉られていることが、大変印象的です。
この求道会館のプランが、のちの奉安殿(奉掲所)になったのではないかというのが、小生の仮説です。武田五一が、奉安殿の原型を造ったのではないかということです。
奉安殿とは、戦前、各学校に、御真影(天皇・皇后の写真)を保存してあった倉庫であり、講堂の中央には、儀式の際に御真影を奉る奉掲所がありました。広義には、奉掲所も奉安殿と呼んでいます。求道会館のプランは、この奉安殿(奉掲所)に似ているのではないかと小生は考えました。
洋風の講堂の正面中央の壁に、別の建物(祠)が付けられている。講堂・ホールなどの椅子席の建物の中に、別の建物を建て込む例は、奉安殿(奉掲所)と能楽堂が同じ時代だったと記憶しております。求道会館の例は、それよりも早い例になるのではないかと考えます。
そういえば、京都観世会館の隣に、武田五一設計の有鄰館がありますね(全然、関係ない)。